読んで役立つ社内報編集ガイド
日本経団連事業サービス社内広報センター
日本経団連出版 2007-11私も社内報関連の書籍を何冊か読んできましたが、おそらくこの本が最も現実の実務を押さえた内容ではないかと思います。いろいろな企画例も出ていますから、社内報初心者の方は、まずこの一冊を必携することをおすすめします。
本書は、新日鐵で広報を長らく担当し、その後新日鐵化学総務部広報に赴任された辻邦博氏による執筆です。辻邦博氏といえば、広報、とりわけ社内報の分野においては知る人ぞ知る存在ではないでしょうか。
実際に、本書を紐解いて、私が感じたことを書いてみたいと思います。
(1)社内報編集、それはたいていの場合、何も分からぬまま「やれ」と言われてやる場合が大半だと思います。私もその一人です。そういうこともあり、最初は何をやったらいいかすら分からないというのが本音ではないでしょうか。
(2)社内報は、「漢方薬」と言います。そういうことですから、うまく使えば、すぐにとは言わずとも、徐々に効いてきます。
(3)読まれる企画とは、身近な話題、人を中心とした企画、明日への夢や希望を感じる企画であることです。私自身は特に「人」を中心とするということが特に大切であると感じています。
(4)表紙は企業の「顔」であるということ。私たちも雑誌等を購入するときに、まず目に留まるのは表紙のはずです。そこをないがしろにして良い企画はできないでしょう。
(5)個人情報が騒がれるが、責任の所在が分からないデータを掲載してはなりません。データの出所などにも十分注意しましょう。
(6)企画テーマの「タブー」に切り込めるか。例えば不祥事などのテーマを積極的に取り上げられるかどうかが、編集者の腕の見せどころである。
(7)企画のストックは、常に2-3本は持っておくこと。ということは、社内報編集者としては、常に企画をストックしておく必要があるということになると思います。
(8)企画の元は、「メモ」にあり。これは企画だけではないでしょうけれど、日頃から気づいたことをすぐに「メモ」する習慣というのは、その後の仕事のやり方にも影響してくるのではないでしょうか。もちろんメモ用紙もありますが、今は携帯電話にも音声録音がついていますし、メモ用のブログを使うという手もあります。私は、実際にメモ用のブログを持っています。もちろん社内報専用ではなく、いろいろ気づいたことをメモしておくブログです。
(9)経営者(社長)の登場企画は重要なのですが、とりわけ新社長の紹介は重要と感じています。特にインタービュー形式でざっくばらんにやろうとする場合、一歩踏み込んだ質問をすることが大事だということです。確かに、想定問答を作っておいて結果的にそれが社内報に掲載されるのは、形にはなるかも知れませんが面白くはないですよね。
(10)取材は現場でするものであり、机でするものではありません。
(11)予測記事はやめること。確かに会社の定例行事というものはあるのだが、それをそのまま取り上げてしまうなどというのは味気ないですよね。毎年少しずつ何か違うものがあるはずです。(10)と関連しますが、それをきちんと現場で取材して取り扱うものでしょう。
(12)座談会、インタビューなどは録音することが多いですが、「テープ起こし」は業者に依頼した方が良いでしょう。編集者は座談会のテープ起こし作業が目的ではないですからね。自分の時間あたり単価との比較、このあたりも非常に重要でしょう。
(13)文章上達に関しては、「習うより慣れろ」というのが私もそうだと思います。こうして今はブログもあるわけですから、たくさんの文章を書いてみて、読んでみてというのが一番大切ではないでしょうか。
(14)編集者の3つの条件、これは私も十分に確認したい事項と感じました。
時代をよく知り、現場をよく知り、編集スキルをつけること
(15)社内報通信員の活用は重要と考えます。やはり現場が重要ですが、編集者が現場をくまなく知っているというわけではないですし、それはなかなか難しいところでしょうしね。
とにかく、「社内報」に関していろいろ勉強できた一冊です。読んで役立つ社内報編集ガイド
日本経団連事業サービス社内広報センター
日本経団連出版 2007-11